canonical(カノニカル)タグは、内容が似ているページのURLを1本化するためのタグです。canonicalタグを設置することでGoogleからの評価を1つのURLに集約できます。
この記事では、canonicalタグの書き方や設置後の確認方法、設置するにあたっての注意したい点を解説します。
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canonicalタグとは?
canonicalタグとは、同一サイト内に類似ページが存在する場合に、正規のURLをGoogleに伝えるタグです。この作業をURLの正規化と呼びます。
サイト運営をしていく中で、以下のように過去に作成したページと似たページが発生することがあります。特に、ECサイトでは起こりやすいです。
その場合、canonicalタグを使ってどちらか一方のURLを指定すると、どちらが重要なURLであるかをGoogleに伝えることができます。
例(SEOに関する記事) ①https://www.abc.com/about-seo ②https://www.abc.com/what-is-seo |
URLの正規化とは?
「URLの正規化」とは、サイト内に存在する「コンテンツの内容は同じだが、URLが異なるページ」のURLを一本化することです。
例えば以下の2つは、ページの内容が同じであってもURLが異なるため、Googleは「別のページである」と判断します。
以下に示されている①のページを、②のURLに正規化することで、①の評価が②に集約されます。
例 ①https://www.abc.com/ ②https://www.abc.com |
また、クローラーも①ではなく②が重要なページであることを認識できます。
canonicalタグを設定すべき理由|どんな意味がある?
canonicalタグを活用することで、どのような効果があるのでしょうか。
ここでは、canonicalタグを設置すべき理由を2つ紹介します。
- 重複コンテンツを解消できる
- 被リンクの評価を1ページに集約できる
重複コンテンツを解消できる
canonicalタグを活用すると、Googleから重複したコンテンツであるとみなされなくなります。
Googleは様々なページをバランスよく検索結果に載せたいため、似たページが複数あった場合はクロールされにくくなります。そのため、質が高いとはいえ内容が近いページが同サイト内にあることは、SEOの観点で好ましくありません。
Googleから「内容が重複している」と判断されると、サイトの評価が低くなる可能性があります。
最悪の場合、「同じ内容のページを増やして、サイトを充実させているように見せた悪用サイト」とみなされてしまうかもしれません。
そうならないためにも、canonicalタグを活用して、重複コンテンツとみなされる可能性を排除しましょう。

被リンクの評価を1ページに集約できる
canonicalタグを活用すると、被リンクの評価を1つのページで受けることができます。
以下の例の場合、①と②が同じコンテンツであっても①のURLで被リンクを50件、②のURLで100件というように、URLが異なれば評価も別々に換算されます。
この場合、canonicalタグで②のURLに正規化することで、①と②別々に受けていた評価を②のURLに集約できます。
例 ①https://www.abc.com/ ・・・被リンク50件 ②https://www.abc.com ・・・被リンク100件 ↓ ②https://www.abc.comに正規化・・・被リンク150件 |

canonicalタグを使うべきパターン
canonicalタグを使うべきパターンは、以下の3通りがあります。
- パソコン用とスマートフォン用でURLが異なる
- 計測用のパラメータなどがURLにつく場合
- ECサイトで複数の色・サイズのページがある
パソコン用とスマートフォン用でURLが異なる
パソコンとスマートフォンで以下のようにURLが異なる場合があります。媒体が異なるだけで内容は同じなため、canonicalタグを設置していずれかのURLに集約しましょう。
▼PCとスマホでサブドメインが異なる場合は、こちらのページも確認しましょう。

例 パソコン用URL: https://abc.com/ スマートフォン用URL: https://sp.abc.com/ |
計測用のパラメータなどがURLにつく場合
広告やLPで計測用のページでは、URLの末尾にパラメータがついていることがあります。
canonicalタグを設置して、パラメータのついていないページに集約しましょう。
例 https://www.abc.com?〇〇〇=△△△△” https://www.abc.com |

canonicalタグの書き方
ここでは、canonicalタグの書き方を説明します。
HTMLに記載する場合
HTMLにcanonicalタグを書く場合は、以下のように記述してください。
<head><link rel=””canonical”” href=””正規化して評価を集めたいページのURL””></head> |
canonicalタグの追加場所はheadタグ内です。相対パスで指定した場合、正規化できない可能性があります。headタグ内のURLは絶対パスで記述してください。
HTTPヘッダー部分に記載する場合
HTTPヘッダー部分にcanonicalタグを書く場合は、以下のように記載してください。
Link:<http;//正規化して評価を集めたいページのURL>; rel=”canonical” |
WordPressで設定する場合
WordPressを使用している場合は、プラグインから簡単に操作できます。
- WordPressの管理画面からプラグイン「All in One SEO Pack」をインストール
- 「All in One SEO Pack」有効化する
- 「一般設定」から「Canonical URL」という項目をチェックする
canonicalタグの設定状況を確認する方法
canonicalタグを設置した後、正しく反映されているか確認しましょう。確認する方法は2種類あります。
HTMLファイルで確認する方法
HTMLファイルで確認する場合は、以下のように行います。
- Google Chrome上で右クリック→「ページのソースを表示」
- HTMLファイルが表示されたら「canonical」で文字検索する
- canonicalに関する記述を目視で確認する
Google Search Consoleで確認する方法
Google Search Concoleで確認する場合は、以下のように行います。
- Google Search Concoleの検索欄にコピーしたURLを貼り付けて検索する
- 検査結果の「カバレッジ」欄で「ユーザーが指定した正規URL」を確認する
canonicalタグを設置するにあたっての注意点
canonicalタグの設置にあたって、注意すべき点が4つあります。
- 操作を誤るとサイトが検索結果に出なくなる
- ユーザーに不要なページを回遊させない
- 複数ページにわたって続く場合はcanonicalタグを使わない
- canonicalタグで全ページ同じURLを設定しない
操作を誤るとサイトが検索結果に出なくなる
canonicalタグの設置操作を誤ると、指定先ページがGoogleの結果欄に表示されなくなる可能性があります。
サイト全体のSEO評価が下がる可能性もあるので、作業は慎重に行ってください。
ユーザーに不要なページを回遊させない
ユーザーに不要なページは、canonicalタグでどこかのページに正規化するのではなく、301リダイレクトをしましょう。ユーザーに不要なページは、見せるべきではないからです。
301リダイレクトはURLが変更になった際に、変更後のURLに転送するための手段です。
301リダイレクトを活用すると、ユーザーが不要なページにアクセスした場合に、本来見せたいページに飛ばすことができます。
複数ページにわたって続く場合はcanonicalタグを使わない
ページネーションを使ってコンテンツが2ページ以上にまたがる場合は、canonicalタグで別URLを指定する必要はありません。
例えば1つのコンテンツが5ページにまたがった場合、それぞれのページは異なったコンテンツになります。そのため、別URLを1つのURLに正規化しないようにしましょう。
しかし、Google公式は、
- 2ページ目以降を検索結果に表示させなくても良い場合
- 他のページから2ページ目以降に容易にアクセスできる場合
は、1ページ目に正規化することも問題ないとしています。
このような例外もおさえておきましょう。
canonicalタグで全ページ同じURLを設定しない
canonicalタグを設置する時に、全ページに同一URLを指定しないようにしてください。
全て同一のURLを指定すると、Googleに「全ページが1つのコンテンツである」と判断される可能性があります。適切なURLを選んで指定しましょう。
canonicalタグを使ってサイトの質を高めよう
URLの異なる同一コンテンツが存在すると、Googleからの評価が分散してしまいます。
似た内容のコンテンツとみなされそうなときはcanonicalタグを設置し、Googleから適切に評価を受けるようにしましょう。被リンクやGoogleからの評価を集約でき、より質のよいサイトになります。
▼URLの正規化とは?SEOとの関連性や確認方法、対策を解説

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