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【グルメポータルサイト・SEO比較】食べログ、一休、美味案内

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以前、求人アグリゲーションサイトの比較を行いましたが、今回はグルメポータルサイトを比較してみました。

さまざまなジャンルで成功しているDB型サイトを分析することで、ナレッジを蓄積し、実際の運用に役立てていければと考えています。

弊社はEC・ポータルサイトのSEO対策を得意としておりますので、今回の記事でご興味を持っていただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

また、現在ポータルサイトを運営されている方の参考にもなると思いますので、よければ記事のシェアもいただけると嬉しいです。

ポータルサイトの作り方】(ポータルサイト制作を検討中の方はこちら)

目次

「渋谷 イタリアン」での検索結果

今回、特定のポータルサイトを決めて分析するというよりも、試しに「渋谷 イタリアン」で検索し、上位表示しているサイトを比較してみることにしました。

検索結果は以下の通りです。

1位、2位…食べログ

3位…一休

4位…美味案内

食べログ・一休は店名・写真・場所・評価・価格帯・予約情報をひと目で簡潔に表示し、クリックで店舗情報ページへ移行する設計。

4位の美味案内は上記とは異なり、記事型のコンテンツとなっています。

詳細情報(写真+文章)の下に店舗情報があり、クリックで詳細ページへ移行しますが、Web予約ができない店舗も多いです。

即予約できず不便なため4位という順位なのかと思われますが、逆になぜ4位まで上がっているかと考えたときに、以下2点と予想しました。

  • QDDの観点
  • 狙っているクエリの特性

まず、上位3記事が店舗紹介のみのため、QDDの観点からより店舗の詳細を記載した記事型が上がっているのではないかと考えられます。上位3記事は詳細を知るためにクリックが必要なのに対して、美味案内の記事は詳細がひと目でわかり、店舗情報を知りたい人にとっては便利だと言えます。

また、美味案内は「ランチ」系クエリの流入が多いという特徴があります。ランチは予約せず直接店舗へ行く人が多いため、予約機能がなくてもユーザビリティが下がらず、結果的に高順位につながっているのではないかと考えました。

以下では、この推察が正しいかどうか、上位3サイトをSEO観点で細かく比較していきます。

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コンテンツ

検索にヒットしている店舗一覧ページを見てみると…食べログと一休は大きな差はなく、写真・店舗名・場所・口コミ・予算・簡単な説明・ネット予約の空席情報を表示しています。

ひと目で情報がわかり、即予約も可能なのでユーザビリティの高い設計になっていると感じます。

相違点として、食べログは一休と比較して特に口コミが目立ちます。口コミ件数No.1を推していますし、ユーザーとしても知りたい情報なので、口コミに力を入れていると推察できます。

一方、一休は画像が大きく、視覚的な情報をメインに表示している印象です。一休のターゲットとして、映え・高級感・おしゃれさを重視するユーザーが想定されるため、画像の見せ方にこだわっているのでしょう。

また、一休は一部記事型のコンテンツも投稿しており、主にGoクエリでアクセスを集めています(キーワード「お台場 デート」「お台場 大人デート」)。

美味案内は、記事型のコンテンツがメインとなっており、予約機能がないページも多いです。

主に「ランチ」系クエリでアクセスを集めており、ランチの場合は予約せずに直接店舗へ行くユーザーも多いため、予約機能を重視していないのかもしれません。

店舗ページの比較

店舗ページに関して、食べログは写真一覧がありイメージがつかみやすく、クリックなしで口コミや店舗情報が見られて便利です。さすがのユーザビリティと言えますね。

一休は基本構成は食べログと同じものの、やや写真数が少ない印象です。食べログはユーザーが自由に写真を投稿できるため必然的に点数は多くなりますが、一休は高級志向の店舗が多いので、写真を厳選しているのでしょうか。

写真・口コミなどのコンテンツは揃っていますが、そこに到達するまで1クリック必要なため、少し不便に感じるユーザーもいるかもしれません。

美味案内は上記2サイトと比較して画像が少なめで、店舗によっては電話番号記載のみで直接ネット予約ができません。

特徴として、住所のルート案内や、最寄り駅までの乗り換え案内の記載があります。

乗り換え案内のジョルダンが運営しているため紐づけたい意図だと思いますが、こちらがユーザビリティアップにつながっているかは疑問です。

考察

コンテンツは食べログと一休とで一見同じような構成ですが、細かく見ると以下の差が見受けられました。

  • 食べログ…全情報を満遍なく表示、特に口コミに力を入れている
  • 一休…画像をメインに表示

ここから、食べログはより広いユーザーをターゲットにしているのがわかります。予算を元に決めたい人、口コミを参考に決めたい人など、さまざまなニーズを満たしているため、ここまで強いのでしょう。

一休は、高級なお店やデートで使えるおしゃれなお店などに絞ったブランディングです。そのため、値段よりも画像で視覚的にアピールしていると思われます。

どちらも予約までの導線がはっきりしていて、予約→ユーザー行動終了の流れが多く、検索エンジンにプラス評価を得られ、上位表示につながっていると考えられます。

美味案内は前者2つと異なり、店舗詳細を詳しく書いていくスタイルです。店舗ページには予約機能がありませんが、ランチクエリをメインに狙っているため、予約ではなく直接店舗に向かうユーザーがメインだと想定されます。結果的にユーザー行動が終了しているので、検索エンジンにプラス評価を得られ、4位まで上がってると推察しました。

アクセス数

Ahrefsのオーガニックトラフィックを比較すると、以下の通りです。

  • 食べログ…50,900,000
  • 一休…7,300,000
  • 美味案内…611,700

流入キーワードや特徴について詳しく見ていきます。

食べログ

アクセス数に関しては、食べログが圧倒していますね。「ケーキ屋」「カフェ」などジャンル単一ワードでも上位表示しています。指名検索も多く、ブランドが確立されている印象です。

特徴として、後述する一休に比べると、オーガニックキーワードの割にオーガニックトラフィックが少なくなっています。

これは、全地域で「地域名+ジャンル」を網羅しているため、ボリュームが少ないキーワードも多いからではないかと思われます。

すでにビッグワードを取れており、さらに伸ばすためにはテールでのトラフィックが必要になるため、資本力のある強者の戦略の結果だと言えますね。

 

一休

一休はデート系クエリで強く、こちらに関しては記事型コンテンツが上位表示しています。

流入クエリを見てみると、一休はデートやディナーなどシーンの掛け合わせや地域を絞っていて、ボリュームの多いものを中心に対策していると予想されます。

食べログがすべてのテールを取りにいっているのに対し、一休はよりトラフィックが集まるものに特化しているという戦略の違いを感じます。

美味案内

美味案内は「都内+ランチ系」のクエリで多くのアクセスを集めています。

ボリュームが多いクエリを対策していると思われる一休と比べ、美味案内はオーガニックキーワードに対してオーガニックトラフィックがそれほど多くありません。

ここから、美味案内はボリューム重視というよりも「ランチ」に特化したコンテンツを制作していることがわかります。

今後「ディナー」などキーワードを広げていくのかは不明ですが、上記2サイトに比べるとまだコンテンツ数も少ないため、シーンを絞って専門性を高めていく戦略なのでしょうか。

アクセス数に関しては「食べログ>一休>美味案内」と大きく差が出ましたが、その差はどのクエリを狙っているかという要因が大きいです。

  • 食べログ…全地域×全ジャンル名で対策
  • 一休…都心部×デート・ディナーなど状況の掛け合わせを中心に対策
  • 美味案内…都内×ランチクエリを中心に対策

当然、すべてのクエリで対策している食べログのアクセス数が多くなります。一方、一休や美味案内のように絞るほど、1キーワードあたりのトラフィックは多くなり、ある種効率的にアクセスを集められているとも捉えられますね。

ドメインパワー

ドメインパワーはAhrefsのDRの数値だけ記載します。

  • 食べログ…91
  • 一休…81
  • 美味案内…79

食べログはDR90を超えており、さすがの強さです。

以下でどのような被リンクがあるのかを分析していきます。

被リンク

Ahrefsで調べた被リンク数は以下の通りです。

  • 食べログ…23,100,000
  • 一休…1,000,000
  • 美味案内…536,100

具体的にどのようなところから被リンクを得ているか見ていきましょう。

食べログ 

食べログは価格コムが運営しているため、トップページからリンクを貼られています。

それ以外は「おすすめグルメ」といった記事型メディアからのリンクを大量に獲得しています。おすすめグルメを紹介する記事で、店舗情報としてリンクされている形です。

その他、掲載店舗の公式サイトの予約先としてのリンクも多く見られました。ホームページに予約機能を実装するのは費用がかかるので、食べログを代用したほうが便利だと思う店舗も多いのでしょう。

予約フォームがない各店舗から自然に被リンクを集められる仕組みになっているので、理想形ですね。

 

また、意外なのですがWikipediaからの被リンクもありました。主にショップの外観や店舗情報などの出典としてのリンクです。

このことから、公式ページがないお店の情報は出典元として引用されやすいですし、画像の引用元としても使われるため、写真掲載は多いほうが良いと言えますね。

最後に面白い事例として、食べログはメーカー向けのPR記事も作成しているのですが、このPR記事がサッポロビールトップページからリンクを貼られていました。

PR記事の用途はメーカーの宣伝になりますが、予算をもらって記事を作成し、かつ被リンクももらえるとなるとポータルサイト側のメリットが大きいですね。

ポータルサイトの強みを活かしたタイアップなど、被リンク施策として有効かもしれません。

一休 

一休はYahooと提携しているため、Yahoo!Japanのトップページからリンクが貼られています。

また、Yahoo傘下の各メディアから「おすすめサービス」としてフッターにリンクされており、メディア同士で被リンクを送り合っている状態です。

また、食べログと同じく公式サイトの予約先としてのリンクも目立ちました。食べログと異なるのは、ホテルや庭園など高級感のある施設からのリンクが多いという点です。一休は宿泊サービスも展開しているため、そのつながりで被リンク営業を行っているのでしょうか。

その他、おすすめグルメ系の記事からのリンクもいくつかありますが、食べログと比べると数は少ないです。これは一休の掲載店舗数の問題かと思われます。

美味案内  

美味案内は乗り換え案内のジョルダンが運営しているため、トップページからリンクを貼られています。

また、食べログの正規代理店のため、食べログからの被リンクもありますね。

その他の被リンクとしては、画像引用リンクが目立ちました。美味案内は記事内でオリジナルの写真を使用していて、その写真を他メディアが画像として引用している形です。

食べログも写真は豊富ですが、ユーザー投稿写真がメインなのでメディアとしては使いづらいのかもしれません。

また、ジョルダンとぐるなびは提携しているため、ぐるなび店舗ページからトピックスとして記事ページへのリンクも見られました。

他には、グルメサイトとして食べログなどと並列して紹介されているリンクもいくつか見られました。

ただ、これは競合も同じく掲載されているので、差別化にはなりませんね。

上記のことから、公式ホームページ代わりや予約機能として利用されると、自然と被リンクが増えていくので理想であると言えます。

参照元として画像が使用されるケースも多く、画像はこだわって選び、数多く掲載していきたいですね。

掲載店舗数

掲載店舗数は以下の通りです。

  • 食べログ…83万件、イタリアン22,902件
  • 一休…8,000件、イタリアン766件
  • 美味案内…2,580件、イタリアン168件

食べログは圧倒的な店舗数を誇っていますが、無料で登録でき手軽なのが要因でしょう。

また、Googleマイビジネスのように第三者でも登録できるような機能もあり、運営が工数をかけることなく店舗数が増えていく仕組みができあがっています。

一休は店舗登録に審査(詳細非公開)が必要です。高級・おしゃれ志向のブランド維持のために、意図的に掲載店舗数を絞っていると思われます。

美味案内は店舗掲載というより取材記事のような形のため、飲食店にとって掲載先としてイメージしづらく、まだ店舗数が限られていると考えます。

ランチクエリの記事が多いため、まずはランチ中心の店舗から攻めていく戦略なのかもしれません。

CWV

PageSpeed Insightsで読み込み時間に関して調べました。

ポータルサイトは構造上どうしても数値が悪くなりがちなのですが、食べログも携帯電話30とあまり良い数値とは言えませんでした。ただ、デスクトップは89点と良い数値となっています。

携帯電話は難しい部分も多いですが、意識的にCWVの数値を改善しようとした形跡が見られます。

一休は、携帯電話19点、デスクトップ47点でした。

特に画像を多く使っているため、その影響でこのような数値になっているのでしょう。

上記2サイトに対して美味案内は、携帯電話77点、デスクトップ92点とどちらも良い数値でした。

美味案内のコンテンツは記事型のため、CWVの点では優れていると言えますね。

しかし、現状では食べログが圧倒的上位のため、CVWはそこまで検索順位に影響していないと考えられます。食べログはコンテンツ内でそのまま予約までいけるため、多少ページが重いと感じても使い続ける理由があり、離脱率は低いと予想されます。

また、食べログはアプリへの誘導を積極的に行っており、重いと感じるユーザーには、より利便性の高いアプリという選択肢も用意しています。

内部リンク

続いて内部リンクについて、トップページ、一覧ページ、詳細ページにわけて比較していきます。

食べログ

●トップページ

食べログのトップページでは、エリア・料理ジャンルをまずフォローしています。

例えば「和食」をクリックすると、「和食 おすすめ」のページへ移動します。

そこから地域を絞り込むと「東京 和食 おすすめ」といった形で各クエリをフォローする構成です。

これで漏れなく地域名×ジャンルのクエリが網羅でき、きれいな設計ですね。

その他、利用シーン・こだわり条件などさまざまなニーズをフォローしています。

利用シーン・こだわりも同じく「一人 グルメ おすすめ」で地域を絞り込むと「東京 一人 グルメ おすすめ」というように「地域×利用シーン」のクエリをすべてフォローできています。

ユーザーページへの内部リンクがあるのは食べログならではですね。投稿する側は権威性を得られますし、口コミを参考にするユーザーも判断基準として利用でき、より口コミを促進する効果が見込めるでしょう。

トップページにリンクがあるので、食べログとして口コミをアピールしていきたい意図が読み取れます。

●一覧ページ

一覧ページでは、店舗詳細ページへリンクが貼られています。

また、パンくずで上の階層へのリンクを設置。上の階層リンクにジャンルを入れるかで議論になると思いますが、UXを考えて正しい設計になっています。

コース・金額、条件などでさらに細かい掛け合わせもフォローされており、ユーザビリティ向上だけでなく、テールワードの捕捉もここでできていますね。

また、一覧ページの下層にランキングページがあります。

一覧(おすすめ)と検索意図が被っているはずなのになぜかと思ったのですが、ランキングコンテンツはユーザーが重宝するためフォローしておきたい狙いがあるのかと推測しました。

一覧ページはPR店舗を優先表示、ランキングは予約数による定量評価といったように基準がわかれているため、そこでコンテンツの差別化を図っています。

以前からネット予約数をもとにランキングをしていたか記憶が定かではありませんが、ネット予約は店舗が食べログに課金するため、この辺り売上と上手く絡めた戦略になっていますね。

さらに口コミ数順や新店などを選べ、さまざまなニーズをフォローできていると言えます。

●詳細ページ(下部)

詳細ページの下部で「周辺エリアのランキング」というところからランキング記事へ内部リンクを貼っています。ここは通常はアコーディオンで閉じており、内部リンクは貼りたいがユーザビリティも考慮したい意図を感じます。

また、店舗が紹介されている記事へのリンクもあり。関連性がある記事はすべてつないで回遊性アップを狙っていると思われます。

一休

●トップページ

一休のトップページに関して、エリア・ジャンル・目的・こだわり条件別の内部リンクは食べログと同じです。

エリアは全国ではなく絞られていて、全国を網羅するよりもボリュームの多いところを重点的に攻めていく戦略かと思われます。

食べログとの違いとしては、FVにバナーがあり、特集記事やシーン別のおすすめ店舗一覧ページへのリンクが貼られています。おすすめレストランのリンクも上部にあり、どちらかと言うと受動的なユーザー向けのリンクに重点を置いている印象です。

これは、一休では「ここに行きたい!」というよりも「デートに使うお店」のようにざっくりと探しているユーザーが多いためではないかと推測します。

●一覧ページ

一覧ページに関して、店舗ページへのリンク、パンくずによる上の階層へのリンクは食べログと同じです。

サイドバーは絞り込み検索のみで、条件別のアンカーリンクはコンテンツ終わりに設置されています。

微妙に場所は違いますが、食べログとほぼ同じですね。

●詳細ページ

詳細ページでは、コンテンツ下に「こちらとよく一緒に閲覧されているレストラン」「周辺のレストラン」の内部リンクが設置されています。希望のお店ではなかった際の離脱を防ぐ狙いがあると思われます。

また、近しい店舗の内部リンクはSEO上も良いですね。

その他「ケーキバイキング」「クリスマスディナー」など、フッターにテキストリンクが見られました。これは恐らく、上げたいキーワードをアンカーテキストで貼っているのだと思われます。

美味案内

●トップページ

美味案内のトップページでは、エリア・ジャンル・利用シーンでの内部リンクは食べログ・一休と同じですが、利用シーンの種類が上記2サイトと比べて少ないですね。

一休のようにFVで特集記事へリンクがあり、記事型のコンテンツを推していきたい意図が見られます。

●一覧ページ

一覧ページは「美味ごはん>一覧ページ」というブログ型の構造になっています。

通常のポータルサイトの一覧ページとは違い、おすすめ記事のような形で店舗を紹介しているため、あくまで記事型として上げたい意図なのでしょうか。

コンテンツ終わりには関連記事へのリンクがあり、回遊率を高める狙いが見えます。

●詳細ページ

詳細ページは「ホーム>東京都>渋谷>渋谷駅>詳細ページ」という階層構造です。

食べログ・一休と違い上位ページが「イタリアン」という単語を含んでおらず、そもそも「渋谷×イタリアン」の一覧ページがありません。

この階層はポータルサイトのような構造になっていますが、一覧ページにあたる部分を記事型でフォローしており、これはちょっと謎ですね。一応「渋谷」「渋谷駅」のページがポータルの一覧になっていますが、デザインがしょぼいです。

もしかすると最初はポータルサイトで攻めようとしたけど、途中から記事型で攻めていく戦略に変更したのかもしれません。

コンテンツの終わりには、関連記事という形で内部リンクがあります。食べログ同様、店舗が掲載されている記事と店舗詳細ページは相互で結んで回遊性を高める狙いがあると思われます。

美味案内はポータルとメディアが合わさったような構成で、なかなか見ない形ですね。

一覧ページを見ると作りこまれていないので、恐らく一覧は諦めて記事に振り切っているのではないでしょうか。

アプリに関して 

ここまで食べログ・一休・美味案内を比較してきましたが、食べログのみスマホアプリを保有していて、コンテンツ内からも積極的にアプリへの誘導を行っていました。

リンククリックでアプリが起動するようになっていて、それはある意味で検索行動が終わっているので、SEOにおいてポジティブに働くと感じました。

アプリへ移行すると基本的には再検索が起こりづらく、かつユーザーを囲えるため、ポータルサイトを運営していくうえでアプリがあったほうがSEO的にも売上的にも有利だと言えますね。

一休・美味案内はアプリがなく、食べログとの検索順位の差は、アプリの有無によるユーザー行動の差からも生まれているのかもしれません。

別エリア別ジャンルで比較

ここまで「渋谷 イタリアン」で検索し、上位3サイトを比較してきましたが、そこで生まれた仮説を検証するため、別キーワードでも調べてみました。

キーワードは「銀座 和食」です。

検索結果は以下の通り。

  • 1位…食べログ
  • 2位…一休
  • 3位…ぐるなび

(美味案内は12位)

食べログはやはり別エリア・ジャンルでも圧倒しています。

出てくる店舗を見てみると、平均予算5,000円~がメインで、銀座にしてはリーズナブルな印象を受けます。

銀座での食事は接待や記念日などの高級店の利用も想定されますが、母数でいくと安く和食を食べたいユーザーのほうが多く、需要があるのかもしれません。

一休は高級ブランディングのため、銀座では1位の可能性もあると考えましたが、食べログには1歩及ばず。

掲載店舗は最低でも1万円~のお店がメインで、やはり高級志向には変わりありませんでした。食べログと差別化を図るため、より絞った層を狙っていると思われます。

「渋谷 イタリアン」では4位だった美味案内ですが、地域とジャンルを変えると12位となりました。ヒットする記事のタイトルは「銀座ディナーにおすすめの26軒」です。

このキーワードで上位表示できていない要因として、美味案内では「ランチ」系クエリをメインに狙っているため、専門性の観点で「ディナー」というキーワードは弱いのではと思われます。

また、渋谷と違い銀座はランチでも予約が必要な場合が多いため、予約フォームがない当記事では利便性が低く、離脱につながっている可能性も考えられます。

 

総括

食べログ・一休・美味案内のグルメポータルサイト3つを比較した結果、以下のような特徴が見られました。

  • 食べログは店舗数で圧倒
  • 一休はターゲットとエリアを絞り勝負
  • 美味案内は記事型コンテンツで差別化

別キーワードでも調査してみて、全体として上位表示のためには、専門性・網羅性が重要であると再確認しました。

店舗数で圧倒している食べログはやはり強いですが、なかには一休や美味案内のほうが上位をとれているクエリもあり、ランチや高級など突出させれば勝負できる可能性があると言えます。

また、仮説ですがいかに検索行動を終わらせるかが重要であると思われます。

食べログは、アプリ誘導・予約までの導線・内部リンクの設置などでユーザー行動を終わらせているから検索エンジンに評価され、上位表示しているのではと考えました。

以上のことから、これからポータルサイトを伸ばしていくためには

  • 尖ったコンセプト設計
  • ユーザー満足度を満たす(再検索をさせない)

が大事になってくると考えられます。

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この記事を書いた人

中川裕貴のアバター 中川裕貴 1億PVの男

Twitter:@ny__marketing
NYマーケティング株式会社 代表取締役。
オトコなら誰でも知っている『ポケパラ』をつくった人。最大で月1億PVまでグロース。その後、NYマーケティング株式会社を創業。大規模サイトSEOが得意。YouTubeでは鬼マニアックなSEO情報を発信中。
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