SEOの効果を最大化するためには、計画的な戦略が不可欠です。専門的な知識が必要なSEO施策を手当たり次第に実施するだけでは、期待する効果は得られません。
そこで、今回はサイトのケース別に具体的なSEO戦略設計のやり方を解説します。また、事例を通じて、効果的な戦略について詳しく説明していきます。
SEO/SEO戦略とは?
SEO(Search Engine Optimization)は、ウェブサイトやコンテンツを特定のキーワードで検索した際に、検索エンジンのランキング結果で上位に表示されるよう最適化する取り組みのことを指します。
SEO対策の目的は、自社のコンテンツがより多くのユーザーに見られることであり、このための対策には様々なものがあります。これらの対策には、専門的な知識が必要であり、闇雲に実施しても効果が出ません。そこで必要なのがSEO戦略です。
SEO戦略とは、効率的に成果を上げるために戦略的にSEO対策を行うことです。検索エンジンのアップデートなどを考慮し、検索エンジンと検索ユーザ双方にとって最良なコンテンツを提供することが重要になります。
以下では、主にSEO戦略について解説していきます。

SEOのメリット
まず、SEOを行うことによるメリット・デメリットを知っておきましょう。
SEO対策を行うことで、自サイトの記事が上位に表示された場合のメリットには以下のようなものがあります。
長期的な集客効果が期待できる
SEOのメリットの一つは、長期的な集客効果が期待できることです。特定のキーワードで上位表示された記事は、信頼性とユーザーのニーズに応える優れた価値が認められた状態です。これにより、他の記事への閲覧機会が増えるなどの二次的な効果もあります。
良質なコンテンツを作成し、Googleから高評価を受けた記事は検索上位に表示されやすくなり、長期間にわたって上位表示を維持しやすくなります。これにより、訪問者数が増え、企業活動の結果も長期的に維持しやすくなります。
費用対効果が高い
SEOによる集客では、運用型広告と比較してほとんどコストがかかりません。一度SEO戦略を実施して上位表示された記事は、その後の手間をあまりかけずに検索上位に表示されやすくなります。
初期段階では記事の外注や外部ツールの使用に一定のコストがかかるかもしれませんが、一度完成すればSEO対策は半永久的な「会社の財産」となります。スキルを持った社員がいれば外注する必要もなく、中長期的に見てコストパフォーマンスの高い集客方法と言えます。
ターゲット層をピンポイントで集客できる
テレビCMや折り込みチラシは、興味の有無を問わず情報を届けるため、興味のある一部の層以外には価値がまったく無いものになってしまいます。しかし、SEO対策であれば検索エンジンを経由するユーザーが対象のため、特定のキーワードに興味を持つターゲットをピンポイントで集客できます。このようなピンポイントな集客は、興味関心のあるユーザーを効果的に引き寄せ、広告費の削減や成果の最大化に繋がります。
SEOのデメリット
もちろん、SEOを行うことによるデメリットも存在します。
効果が出るまでに時間がかかる
SEOのメリットは多いですが、効果が出るまでには長い時間を要します。新たにコンテンツを作成したとしても、すぐに大量のアクセスを獲得するのは不可能です。
初期段階では、多くの作業をこなしても効果が即座に現れないため、挫折してしまう人が多くみられます。SEOは継続性が必要な作業であり、効果が出るまで長い時間を要することを覚悟して取り組む必要があります。
Googleの評価基準
次に、SEO戦略設計の大前提となるGoogleの評価基準について見ていきましょう。Googleのアルゴリズムは大変複雑なものになっています。ここでは代表的なもののみを取り上げます。
順位を決定する仕組み
投稿したコンテンツが発見されてランキングに反映されるまでのプロセスは、下記の3ステップで行われています。

Step1クロール:情報を探すため、常にクローラーがWeb上を巡回している。
Step2インデックス:収集した情報を分類し、Googleのデータベースに登録する。
Step3ランキング:評価基準と照らし合わせ、関連性の高さで順位を決定する。
Googleが掲げる 10 の事実
Step3に記載してある「評価基準」について、Googleの公式サイトでは下記の10カ条が公開されています。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
検索アルゴリズムは今後もアップデートを繰り返すでしょうが、上記の10カ条は普遍的です。
4つの評価基準E-E-A-T
次に、Googleが定めている「検索品質評価ガイドライン」の中で、最も重視されている「E-E-A-T」を紹介します。
✔Experience:経験
✔Expertise:専門性
✔Authoritativeness:権威性
✔Trustworthiness:信頼性
Googleは上記の4点を満たしていることが高品質コンテンツの条件だとアナウンスしています。
他にも、Googleに評価されるサイトの特徴はたくさんあります。さらに詳しく知りたいという方は、NYマーケティングの記事をぜひ読んでみてください。例えば以下のような記事があります。
Google検索で上位表示させる方法とは?上位表示の仕組みから徹底解説
SEO対策の種類
続いては、SEOの戦略を定めるにあたって、SEO対策の種類を確認していきましょう。
SEOは大きくコンテンツ対策・内部対策・外部対策の3つに分けられます。それぞれ様々な種類がありますが、ここで代表的なものを下の表で示しておきます。
| 分類 | 主な対策 | 具体的手段の例 |
| コンテンツ対策 | キーワード選定 | 複合キーワードの選定 |
| Googleの基準に適合 | 「E-A-T」の順守 | |
| タイトルと見出しの最適化 | 最適化の条件を厳守 | |
| 内部対策 | ユーザビリティの向上 | 表示速度の改善 |
| 記事の内容をクローラーに正しく伝達 | タグの設定 | |
| クローラビリティとインデックスの促進 | XMLサイトマップの作成 | |
| 外部対策 | サイテーションの獲得 | 話題性を提供 |
| 被リンクの獲得 | ナチュラルリンクの増加 | |
| SNSでの拡散 | SNSで拡散を狙う |
ここで示したのはあくまで一例です。さらに詳しく知りたい方は、NTマーケティング記事をぜひ読んでみてください。例えば以下のような記事があります。
上記のように、SEO対策には様々な種類があります。この中で、まず最初に行うべきは、「キーワード選定」です。
また、ここまでではGoogleのアルゴリズムに配慮することの大切さを説明してきました。しかし、Googleに対してのみでなく、ユーザに対しても見やすいコンテンツを作成することが大切です。これらを踏まえて、以下で戦略とその具体例をみていきましょう。
オウンドメディア型のSEO戦略設計

①目的を明確にする
まず、オウンドメディアでは目的を明確に定義しましょう。例えば、ブランドの認知度向上や顧客のエンゲージメントの促進などです。この目的に基づいて、オウンドメディアの戦略や目標を設定します。より具体的で明確な目標を設定することで、正しい戦略を定めることができます。
②製品・サービスが提供できる価値を洗い出す
目的の明確化ができたら、次は自社の製品やサービスが提供できる価値や特長を洗い出しましょう。顧客のニーズを把握し、それに対する自社の価値を明確にします。これにより、オウンドメディアを通じて提供するコンテンツの方向性を決定することができます。
③ペルソナ・カスタマージャーニー、流入からのCV導線の設計をする
ターゲットとなる顧客のペルソナを明確に定義しましょう。そして、顧客の属性や行動パターンなどを把握し、それに基づいてカスタマージャーニーを作成しましょう。
また、顧客をオウンドメディアに流入させ、コンバージョン(CV)へと導くための導線を設計します。
④必要なコンテンツを考える
③で設定したターゲットとなる顧客のニーズや興味に合わせて、必要なコンテンツを考えましょう。
必要なコンテンツはキーワード起点で考えます。ニーズに沿ったキーワード調査をし、コンテンツを作るべきキーワードリストを初期にかっちり作成します。
また、作成するコンテンツに対して動画や図解のニーズが高い場合、ニーズに合わせて記事と動画など必要なコンテンツを検討することが大切です。
⑤スケジュールを立てる
掲載するコンテンツを決めたら、次にSEO対策の優先順位を検討しましょう。自社サイトの状態によって優先すべきことが変わるため、サイトに合わせて施策の優先度を検討してください。
そして、施策ごとにかける期間などのスケジュールを決めましょう。スケジュールを立てることで、SEO戦略の全体像が明確化でき、効率的に行動できるようになります。
ただし、SEOは効果が出るのに時間がかかることも多いため、すぐに結果が出ないことを考慮し、余裕を持ったスケジューリングを行いましょう。
以上がオウンドメディア型SEO戦略の手順になります。これも具体例を見ていきましょう。
オウンドメディア型のSEO戦略設計の具体例
今回は、弊社NYマーケティング株式会社のメディア(ECサイト・ポータルサイトのSEO対策ならNYマーケティング)のSEO対策を例に挙げます。
①目的を明確にする
まずは明確な目的を確立します。
本件では、もちろん『SEO対策の顧客数を増やす』ことが最終目的となります。従って、『NYマーケティングの技術力が伝わるコンテンツを作成し、問い合わせに繋げる』ことがメディア作成の目的となります。
②製品・サービスが提供できる価値を洗い出す
コンテンツを作成する前に、NYマーケティングがどのようなサービスを提供できるかを洗い出します。特に、他社との差別化を検討します。
NYマーケティング株式会社は以下のような特徴があることが分かりました。
- 代表の中川が最大月1億PVまで成長させた経験があり、成功のためのSEO戦略を理解している。
- ECサイト、ポータルサイトのSEO対策、グロースに関する知見・実績が豊富。
- BtoB、BtoCのオウンドメディアの構築〜SEO対策までの実績が豊富。
- 中小企業のニーズにも合わせた適正価格を設定している。
- マーケティング戦略構築から実行までを一貫して自社で行っている。
③ペルソナ・カスタマージャーニー、流入からのCV導線の設計をする
②で整理した価値はどのような層に需要があるかを検討します。
NYマーケティング株式会社のターゲット顧客は以下のような特徴を持つと考えられます。
- ECサイト、ポータルサイトのSEO対策、もしくはオウンドメディア運用をおこない、オンラインプレゼンスを構築したいと考えている。
- デジタルマーケティングに興味があり、自社のウェブサイトやソーシャルメディアの活用方法について情報を求めている。
- 予算やリソースが限られており、コスト効率の良いマーケティング戦略を探している。
そこで、ここでは以下のようにペルソナを設定します。
人物:ポータルサイト or ECサイトを運営している企業の経営者 or サイト責任者
目標:自社サイトにSEO対策を講じ、順位UP・売上UPを図りたい
ニーズ:自社でSEO対策をしてきたが限界を感じて、正しいSEOの情報収集、SEO外注先を探している
設定したペルソナが、NYマーケティングのサービスを知り、実際に利用するまでどのようなプロセスを得るかを検討します。
ここでは、次のようなプロセスを経ると考えられます。
- 自社サイトの伸び悩みについてSEOに課題があると認識する
- 検索エンジン、SNSで「ECサイト 〇〇」「ポータルサイト 〇〇」「SEO戦略」などで検索
- NYマーケティング株式会社のメディアを通じて、実践的な戦略や成功事例を知る。
- NYマーケティング株式会社への問い合わせや相談、サービスの利用へ至る。
このプロセスにおいて、2→3→4に至るまでの導線を設計しましょう。次のようなものが考えられます。
- サーチエンジンからの流入:ターゲット顧客がSEOに関連するキーワードで検索し、SEO対策された記事が表示され、メディアに流入する。
- ソーシャルメディアからの流入:ターゲット顧客がソーシャルメディア上でNYマーケティング株式会社のコンテンツに出会い、メディアに訪れるよう促す。
- メールマーケティングやリマーケティング広告からの流入::ウェブサイトを訪れたことのあるターゲット顧客に対して、メールや広告を通じて情報提供や特典の案内を行い、再訪や問い合わせに繋げる。(この時点ではメールアドレスのみ取得:登録ハードルが低い)
- メディア内の問い合わせフォームやホワイトペーパーの活用:メディア内にCTAを設置し、お問い合わせページやホワイトペーパー(お役立ち資料)ダウンロードページへ誘導します。ただし、いきなり問い合わせページへ遷移させても問い合わせに繋がらないケースが多いため、まずは企業の特徴やサービスを知ってもらえるページへ遷移し、その後問い合わせに繋げる手法が有効です。また、今すぐには問い合わせはしなくてもホワイトペーパーをダウンロードしてもらいリード化し、営業アプローチをすることも有効です。
※CTAとはCall To Actionのことで、サイト内にある「申し込みはこちら」「今すぐ無料会員登録!」などと書かれたボタンやバナーなどのことです。
④必要なコンテンツを考える
③で検討したペルソナ、カスタマージャーニーやCV導線から、どのようなコンテンツが必要であるかを考えます。
ここでは、以下のようなコンテンツが必要と考えられます。
- SEO基礎知識:ECサイト・ポータルサイトに限定しない一般的なSEO対策の基礎知識は必要とされる。(「ECサイト」「ポータルサイト」のキーワードを使用しない検索も想定される)
- ECサイト・ポータルサイトの実践的なSEO戦略や手法:具体的で実践的な内容を検索する。
- 成功事例や中川の経験談:閲覧者にNYマーケティングの技術力や実績を伝えることで問い合わせに繋げる。
これらをそれぞれ以下のように定義します。
「SEO基礎知識」
- 外部施策、内部施策、コンテンツSEOなど基礎的なSEOノウハウ
「実践的なSEO戦略や手法」
- ポータルサイトをグロースするためのSEO戦略
- ECサイトの内部改善に関するベストプラクティス
「成功事例や中川の経験談」
- 中川が最大月1億PVまで成長させた成功事例の解説
- クライアントの声や満足度の高いプロジェクト事例
上記が一例となります。
⑤スケジュールを立てる
何をすべきかは④までで、検討し終えました。ここでは、優先順位や具体的なスケジュールを考えます。
本件では、まず、優先順位について以下のように考えました。
- カスタマージャーニーとして、SEO基礎知識やECサイト・ポータルサイトのSEO対策について学ぶことが初期段階に来るため、これらの記事が優先である。特に自社の強みであるECサイト・ポータルサイトについての記事を最優先とする。
- 「成功事例や中川の経験談」については、CVRの向上のために実績コンテンツは強いため、記事作成の前に一定数を作成する。
次に、スケジュールを決めます。
まずは「成功事例や中川の経験談」を一定数作成します。次に「ポータルサイト 〇〇」「ECサイト 〇〇」キーワードに対する記事を作ります。その後、顕在層に近い順でSEOに関する記事を作成しながら、「成功事例や中川の経験談」も徐々に拡充していきます。コンテンツの作成頻度は、他の業務の状況を考慮しながら月に15記事を目標としました。
さらに、リライトについても計画しておきます。SEOの成果が出るまでに時間がかかることから、記事を公開して半年経過するまではリライトを行わないことにしました。半年経過した記事については、サーチコンソールでの順位が5〜10位の記事から優先的にリライトを行う予定としました。
以上がオウンドメディア型SEO戦略の具体例となります。こちらも具体例をみることで、より一層イメージしやすかったのではないでしょうか。
まとめ
今回は、効果的なSEO対策を取るためのSEO戦略の立て方について紹介しました。SEO戦略は、SEOを効率良く成功させるためには欠かせません。手当たり次第にSEO対策を行うより、あらかじめ戦略を立て、自社のリソースに合わせた施策を行うことで効率良く効果が得られます。 ユーザーと検索エンジン双方から評価されるコンテンツを制作し、正しい形でSEO対策を行っていくことが重要です。
ただ一口にSEO対策といってもさまざまな種類があり、自社で取り組んでいくのが難しいケースもあります。適切に対策を取っていたつもりでも、それが不適切なSEO対策でペナルティの対象になってしまうようなケースも珍しくありません。
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