ラーメン屋を探すポータルサイトを例にして考えます。ポータルサイトをイチから作るときには、SEO対策を大前提として設計や戦略を構築していく必要があります。
ポータルサイトの初期設計はコンテンツマーケティングのメディア設計より複雑です。調査にも膨大な時間がかかりますし、他サイトとの差別化戦略のためにコンテンツ設計も熟慮しないといけません。
エリア・カテゴリなどのマスター項目の設計
ポータルサイトの命にもなるエリアやカテゴリなどのマスター項目設計をまず考えます。
ここの設計を間違えてサイト構築を進めてしまうと、SEO対策で大幅なやり直しが発生し、サイト構築後の後戻りが発生してしまう。そのため、キーワード調査をもとに設計するべきです。
1.キーワード調査
まずは最重要なエリアのマスター項目の設計を考えていきます。ユーザーがエリアをどの範囲で検索するかを調査します。
東京という都道府県単位なのか、渋谷という地域名単位なのか、道玄坂という町名なのか、はたまた東京タワーなどランドマーク名で検索されるのか。既存のラーメンサイトを参考にピックアップします。
その次にカテゴリのマスター項目設計を行いますが、今回はラーメン屋を検索するサイトになるため、カテゴリとしては「しょうゆ系」「みそ系」「二郎系」「つけ麺」などになります。
カテゴリというのは抽象的な表現になり、例えば求人ポータルサイトである場合は「業態」や「職種」などの具体的な名称に変わります。
そのほか、「こだわり条件」のマスター設計も調査する必要があります。こだわり条件は『替え玉あり』『激辛ラーメンあり』などでしょうか。
2.検索ボリュームからマスター項目を設計
調査項目が決まったら、Googleキーワードプランナーで検索ボリュームを調査します。
[調査結果(検索ボリューム)]
東京 ラーメン:18,100
渋谷 ラーメン:33,100
道玄坂 ラーメン:590
東京タワー ラーメン:320
上記の調査結果から、どの範囲まで検索できる機能を設けるかを設計します。今回のケースでは、道玄坂や東京タワーでもそこそこボリュームがあったため、このキーワードも取りに行きたいです。
東京-渋谷-道玄坂 という風に階層構造で検索できるようにしましょう。ランドマークはまた別軸の検索になります。
東京都ではこの結果になりましたが、大阪、愛知、三重など地方にいけば異なる可能性もあります。同様にキーワード調査をして、都道府県ごとに適切なマスターを構築しましょう。
カテゴリの検索ボリュームの調査は、「東京 みそラーメン」「渋谷 みそラーメン」などエリアは広範囲のキーワードで調査しましょう。狭いキーワードやランドマークで検索してもボリュームが小さくなることは目に見えているためです。今回は東京の方が渋谷より多かったため、そのほかのカテゴリも「東京+〇〇」でボリュームを調査しましょう。
こだわり条件を設計するために、キーワードプランナーだけではなくUbersuggestやラッコキーワードなどのキーワードリサーチツールも使いましょう。自分では思いつかないキーワードがツールを使うことで見つかります。
また、こだわり条件の名称で検索ボリュームが少ない場合でも、そのキーワードを排除してはいけません。検索ボリュームとユーザーの需要や利便性を併せて考え設計する必要があります。
一覧ページ、詳細ページのコンテンツ設計
1.競合調査
同じようなラーメン検索サイトを調査して、一覧ページ、詳細ページにどんなコンテンツがあるかをまとめます。エクセルで見やすいようにまとめておくと良いでしょう。
2.競合にあってユーザーにとって必要なコンテンツを設計
まずは競合サイトにあるコンテンツから、ユーザーにとって必要と考えられるものをピックアップします。
一覧ページであれば、店名や営業時間などの基本的なものから、メニュー、口コミなどユーザーが一覧ページで店舗を比較するのに役立つコンテンツを設計します。
3.競合にないユーザーが顕在的・潜在的に求めるコンテンツを設計
競合サイトを参考にしてコンテンツ設計をしたら終わりではありません。競合サイトには無いが、ユーザーが顕在的・潜在的に求めるコンテンツを考え出し、それを設置することで差別化を図れます。
「こういう検索機能があったら便利だな」とか「こういう店舗のリアルタイムな情報があったらお店に行きたくなるな」など、ユーザーインサイトから独自のコンテンツを考え出しましょう。
SEO対策のための中長期戦略
コンテンツSEOと違ってポータルサイトのSEOでは戦略が非常に重要になってきます。以下の3つが必要になりますが、コンテンツが軸になります。
1.コンテンツ戦略
ユーザー参加型のコンテンツを作ることが理想になります。UGCを創出するや、CGM(Consumer Generated Media)などとも呼びます。
ユーザーが自ら作り出すコンテンツであれば、運営側のコストがかからずコンテンツが増えていきますし、ユーザーが楽しんで投稿できるコンテンツを作ることでユーザーのサイトへの愛着が沸きます。
2.ブランディング戦略(リピーター、指名検索UP)
ブランディング戦略はUI/UX、コンテンツが重要になります。使いやすく便利で楽しいサイトに仕上げれば、自然とリピーターが増える。次にラーメンを探すときにもこのサイトを使おうと思ってもらえれば、サイト名を覚えてもらえる。その結果、指名検索が増えてSEO対策につながります。
3.被リンク獲得戦略
コンテンツ戦略による自動被リンク獲得の仕組みと被リンク営業の2軸になります。
ユーザー参加型のコンテンツがあれば、ユーザーがTwitterや自分のブログで紹介してくれます。被リンクとサイテーションが増えてSEO対策につながります。
以前に食べログの被リンクを調査したとき、一般ブログからの被リンクが多かったです。食べログが口コミを始めたとき、当時のブロガー達が自分のブログで自分の口コミページを紹介していたと考えられます。
併せて、初期の被リンク獲得のために被リンク営業が必要になります。コンテンツ戦略がはまり波に乗ってくれば自然と被リンクが増えますが、初期は自ら被リンクを依頼する営業をしましょう。

ユーザービリティを考えた設計をする
マスター項目からページ設計、戦略すべてにおいて、ユーザービリティ・ユーザーファーストを考えた設計をしないといけません。
「ユーザーの本当の課題が解決される」「ユーザーが楽しい体験をできる」ことに重点を置いてサイト設計をしましょう。
「SEO対策のためにここにこのキーワードを配置したい」など、それがユーザーの利便性を阻害するのであれば、それはやめた方がよいです。
ひと昔前はキーワードの配置などがSEO対策に有効でしたが、現在はそれよりもユーザーの利便性を追求する方が、最終的にはSEOに大きくプラスに働くようになっています。
愛を持って取り組む
SEO対策とか戦略とかよりも大前提に、愛があれば普通では見えない課題が見えてくる。
ポータルサイトは単なるコンテンツメディアとは違い、さまざまな要素が絡み合う複雑なサイトになるため、そのサイトを心から良くしたいと思う責任者をつける必要があります。
コンテンツやユーザーの動きなど、毎日穴が開くほどサイトを見ると課題・改善点が浮き彫りになってくる。
社長自身がその役割を担うか、愛を持って取り組んでくれる責任者を設置する必要があります。
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